WAVESのCLA-2Aは、ボーカルミックスで特に重宝されるコンプレッサープラグインです。名前からもわかるように、このプラグインはChris Lord-Alge（クリス・ロード・アルジ）のシグネチャーモデルで、ヴィンテージ感のあるアナログサウンドをデジタル環境で再現しています。今回は、CLA-2Aを使ってボーカルをふくよかに仕上げるためのテクニックを紹介します。
CLA-2Aとは？
CLA-2Aは、伝説的な「LA-2A」という光学式コンプレッサーをモデルにしたプラグインです。LA-2Aは、アナログ機器ならではの温かみと滑らかなコンプレッションが特徴で、ボーカルやベースに最適とされています。CLA-2Aはその特徴を忠実に再現しつつ、デジタルならではの利便性を兼ね備えています。特にボーカルをふくよかにし、自然なダイナミクスを保ちながらも存在感を増すのに効果的です。
基本的な操作
CLA-2Aの操作は非常にシンプルで、初心者でも扱いやすいデザインです。主要なコントロールは以下の3つです。
Peak ReductionとGain
- Peak Reduction: ここでは、どの程度コンプレッションをかけるかを調整します。ボーカルが強く圧縮されると、音が滑らかになり、クリアに聞こえるようになります。通常は、針が-3dBから-7dB程度になるように設定すると、適度なコンプレッションがかかります。
- Gain: これは、コンプレッション後の音量を調整するためのノブです。圧縮によって音が小さくなった場合、ここで音量を補正します。
Peak Reductionは耳で聞きながら、自然なサウンドを崩さないよう、慎重に操作してください
Limiter/Compressorスイッチ
- Limiter/Compressorスイッチ: CLA-2Aは、リミッターとしてもコンプレッサーとしても使えます。通常はコンプレッサーモードで使用しますが、特に激しいピークを抑えたい場合はリミッターモードに切り替えることも可能です。
基本的にはコンプレッサーモードを使用でいいと思います！
CLA-2Aを使ったボーカルミックスの実践テクニック
ボーカルに温かみを加える方法
まず、Peak Reductionを調整して、ボーカルに適度なコンプレッションをかけます。-3dBから-7dB程度の圧縮がかかるように設定すると、ボーカルにふくよかさが加わり、温かみのあるサウンドになります。その後、Gainで音量を補正して、ミックス全体のバランスを取ります。
設定のポイント
- Peak Reductionを調整: ボーカルのピークを抑えて、滑らかで温かみのある音を作ります。
- Gainで音量を補正: 圧縮後の音量を適切に調整して、他のトラックとバランスを保ちます。
自然なダイナミクスを保つ方法
CLA-2Aは、その自然なコンプレッション特性から、ダイナミクスを保ちながらも滑らかなボーカルサウンドを作るのに最適です。Peak Reductionを控えめに設定し、Gainを適度に上げることで、ボーカルが自然なダイナミクスを保ちながらも、ふくよかに聞こえるようになります。
設定のポイント
- 控えめなPeak Reduction: 自然なダイナミクスを保つため、コンプレッションを控えめに設定します。
- Gainを適度に上げる: 音量を補正し、ミックス全体での存在感を増します。
ボリュームの一貫性を保つ方法
歌詞の強弱が大きい場合、CLA-2Aを使えば、自然にボリュームの一貫性を保つことができます。コンプレッションを強めにかけることで、ソフトな部分もはっきりと聞こえるようになり、全体のバランスが整います。
設定のポイント
- コンプレッションを強めに設定: ボーカルのダイナミクスを整え、バランスの取れたサウンドを作ります。
- Gainで微調整: 最終的な音量バランスを調整して、全体を整えます。
まとめ
CLA-2Aは、初心者からプロまで幅広く使える強力なコンプレッサープラグインです。シンプルな操作でボーカルをふくよかに仕上げ、ミックス全体での存在感をしっかりと保つことができます。あなたのミックスにCLA-2Aを取り入れて、ボーカルを一段と引き立たせるサウンドを実現してみてください！
