ボカロを作ってみたい、機材は揃ってるという方に向けてボカロ制作の過程を細かく紹介します。
作曲には様々な手順があり、人それぞれなのであくまで参考程度に思っておいてください。
楽曲のテーマ
意外と初心者さんが見落としがちな作業です。まず初めに楽曲の方向性を定めるための作業をします。ここがぶれてしまうとこの楽曲は何を歌った曲なのか、誰に歌う曲なのかがわからなくなってしまいます。歌詞とメロディーに一貫性を持たせるために楽曲のテーマは初めに考えるのがおすすめです。ジャンルやテーマ・誰に向けての曲かなどをしっかり決めてください。
ロック・バラードなどの音楽ジャンル
・出会いや別れ・感謝など楽曲の中で伝えたいメッセージ(テーマ)
具体的に例を挙げるならロックで友人との別れの曲というテーマにするなら、
さよなら・青春・新たな出会い・終わりと始まり
などこのようにキーワードがいくつか生まれると思います。これらを決めた上でメロディーや歌詞の作成に取り掛かります。
歌詞とメロディー
次に初めに決めたテーマに沿って歌詞とメロディーを作成します。鼻歌などでメロディーを作りながら歌詞を考えます。または、入れたい歌詞が思いついているのなら、どんなメロディーにするか考え文字数を微調整するなどの作業をします。特別な意図がない限り、なるべくテーマから逸れないように作業するほうが最終的にいい曲になると思います。
思いついた歌詞やメロディー・コード進行などは忘れないようにメモしましょう
詞先、メロ先については、同時進行でいいとおもいます。個人的にはこれが一番やりやすいです。
Aメロから?サビから作る?
私の場合はサビから作ることが多いです。初めに思いついたメロディーや歌詞がサビにしたいと思うならそれをサビにしてサビまでの流れ(Bメロ)を考え、そこにつながるAメロなどを考えます。
逆にサビにするには物足りないと考えるならAメロかBメロにしてもっとサビに適したメロディーや歌詞、を考えます。もちろん、初めに考えたメロディーや歌詞が納得いかない場合は、それを採用しないという選択肢もあります。
少し難しいスケールのお話
基本的に楽曲はスケールに沿って進行します。それはメロディーも同じです。スケールについては専門的な知識が必要で少し難しいので今回は省略します。感覚的に気持ち良い音(メロディー)をつくれば基本的に問題ありません。
実際、私も音楽知識なく(気持ち良い音=知らなくても自然と何かしらの音楽理論に則っている)楽曲をたくさん制作しました。音楽理論は作曲の中で困ったときに手助けしてくれる物という認識でいいと思います。何が原因かわからないけどここの音少し気持ち悪いな・なんかちょっとこういう音を使いたいなとなった時に助けてくれるイメージです。
もちろん知ってたほうがいいし、勉強すればとても便利ではありますが、いきなり専門書を読んでも理解できないと思います。なので何曲か作曲して、浮かんできた疑問などを解決する時に自然と音楽理論を解説してるサイトやYoutubeが出てくると思うのでそこで勉強しましょう。内容は知らないけど、その理論を体験してるので「あの感覚はこういう理論があったんだ」と理解しやすくなっているはずです。
曲の構成
歌詞とメロディーを作成するのと同時に曲の構成も考えましょう。
ex)イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Cメロ→サビ
構成に決まったものはありません。最近ではイントロのない曲が増えていると言われています。サビから始まる曲もあるので自分が一番いいと思ったものを採用してください。また、サビが一番盛り上がらないといけないという考えも、固定概念に縛られているのかもしれません。あなたの好きなように楽曲を制作してみてください。
どんな楽器を入れたいか考える
テーマを決めた時あなたの頭の中にどんな感じの曲にしたいというものが思い浮かんだと思います。ここでもう一度どんな曲を作りたいか考えましょう。
ドラムを入れて、ギターを入れて、キーボどもベースも、、、といろいろ考えましょう。
完璧に決定する必要はありませんが、おおまかにどんな楽器を入れてどのようなフレーズにするのか考えましょう。
どの楽器を目立たせたいかにより、フレーズも変わってくるかもしれません。
伴奏をつける
テーマを決めた時あなたの頭の中にどんな感じの曲にしたいというものが思い浮かんだと思います。それを形にする作業です。
どの楽器から作る?
基本的にはドラム・ギター・ベース・ボーカルがいれば曲になると言われています。そこにシンセなどを付け足したりしてボカロっぽくしていく作業です。私の場合は、初めにドラムを作ります。その次にベース、ギター(バッキング)で、次にリードギター、シンセなどの順番で作ります。
リズム・バッキング・リード
トラックを大まかに分けるとリズム・バッキング・リードの3つになります。
リズム(ドラム・ベース)バッキング(ギター・ピアノ)リード(ギター・ピアノ・その他)この順番に制作することが多いですし、ミックスの時もこの3つに分けて作業します。
注意点
ドラムから順にと説明しましたが、全てのトラックを完璧に仕上げる必要はありません。仮のトラックを作成して、ある程度全部の楽器が揃ってから微調整という方法で大丈夫です。
また、サビ部分から作曲を始めた場合、サビ部分のインストを作ってよりサビのイメージを鮮明にしてからAメロ・Bメロを作るのもいいでしょう。
最後に
初めから完璧な楽曲を作るのは難しいでしょう。そもそも完璧な楽曲とはなんでしょうか?一人の命を救う曲ですか?みんなを笑顔にする曲ですか?と考えても答えは出ません。今のあなたにしか作れない曲もあるはずです。
なんとか一曲完成させる「気持ち」が楽曲制作を始めるにあたって一番重要なことかもしれません。